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zoom RSS 『憑神』

<<   作成日時 : 2007/06/19 00:17   >>

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幕末に生きる武士が、貧乏神、疫病神、死神の3大神様にとり憑かれるハメになり、人生の意味について考えるお話。
主演の妻夫木くんに目がいきがちですが、なんといっても貧乏神を演じる西田敏行が最高です。独特の演技で笑わせてもらいました。全体的に笑える場面が多いので、元気をもらえる作品です。


下級武士の別所彦四郎は、代々将軍の影武者を務めてきた由緒ある家柄の出。婿養子に行った井上家からとある事件をきっかけに離縁させられ、その後は兄の家に居候し、仕事もなく時間を持て余す日々。
ある日、行きつけの蕎麦屋で食事中、昌平坂学問所で一緒だった榎本武揚と偶然再会。洋装を着こなし、軍艦頭取にまでなったという榎本を見て、今の自分の立場を情けなく思う彦四郎。噂に詳しい蕎麦屋の主人・甚平が、榎本の出世は向島の三囲(みめぐり)稲荷にお参りしたからだと語り、彦四郎にもお参りに行くよう何度も勧める。
その夜、飲み過ぎ千鳥足になった彦四郎は、道端で転び、土手の下に転がり落ちる。顔を上げると目の前にはお稲荷さん。そこには「三巡稲荷」の文字が。向島まで行かなくともここにあるではないか!ということで、「なにとぞよろしゅう」と手を合わせてしまう。しかしそこは「みめぐり」違い。災いを呼び寄せる神様の祠だったのだ。 


歴史上実在した有名人物が出てくるところが面白いです。榎本と昌平坂学問所で一緒だった、なんて言われると、本当に彦四郎のような境遇の武士がいたんじゃないかと思えてきます。浅田次郎の原作は読んでいませんが、きっと原作もなかなか面白いのではと感じました。
この後、勝海舟や徳川慶喜なども出てきます。勝海舟を江口洋介が演じたのはウケ狙いもあったかもしれませんが、全体的にキャスティングはよく合っていたのではないかと思います。


『みめぐり』と言うだけあって、3人の神様が順番にやってくる仕組み。
まず彦四郎の前に現れたのは、伊勢屋と名乗る貧乏神。幸福の神様と勘違いした彦四郎は貧乏神を大歓迎するものの、自分は貧乏神であると告げられ、大ショック。なんとか貧乏神から逃れようと必死になるが、神の力は強く、別所家は家禄を差し押さえられる窮地に陥る。
困り果てた彦四郎は、離縁させられた井上家へ助けを請いに行くが、あっさり断られる。重い足取りで帰る彦四郎の後をを井上家の使用人で彦四郎を慕う小文吾が追ってきた。小文吾の話によると、彦四郎が追い出された事件は、井上家の主・軍兵衛がわざと仕組んだものという。頭にきた彦四郎は、復讐を心に誓う。

彦四郎には兄・左兵衛がいて家督を継いでいるのですが、これが怠け者で毎日仕事もせず呑んだくれてばかり。どうしたら遊んで暮らせるかばかりを考えています。家禄を押さえられる一大事も、なんとかなるさとことごとく楽観的な考えで、この人すごいかもとある意味器の大きさすら感じます。
最初はダメ兄貴だなぁと思ってみたいたのですが、武士という立場や影武者という仕事に、もう出番は無いと早々見切りをつけるあたりは、案外賢い考えだったのかもしれません。左兵衛役の佐々木蔵之介もひょうきんで面白く存在感がありました。


その後、彦四郎と小文吾は偶然町で貧乏神と会う。修験者として修行を受けている小文吾は貧乏神に向け霊力を発揮。貧乏神はもだえ苦しみ始める。あまりの苦しさに、宿がえを約束。宿がえとは、どうしてもという時に限ってとり憑く人を替えることができるという規則で10年に一度あるかないかの重大なもの。彦四郎の顔見知りでなくてはならないという条件に、彦四郎は井上軍兵衛に宿がえするように頼んでしまう。

小文吾に追い詰められ、苦しむ貧乏神がコントっぽくて笑えます。西田敏行のお茶目なところが十分に発揮されています。
佐藤隆太演じる小文吾はとにかく不器用で気が利かなくてドジなのですが、彦四郎の為には一生懸命です。最初は彦四郎の足を引っ張る事もあるのですが、徐々に右腕となるべく成長していく姿が頼もしいです。


宿がえの効果で別所家は米一俵を恵んでもらえた。ホッと胸をなで下ろした頃、井上家が火事に見舞われ全焼する。軍兵衛はもちろん、彦四郎の元妻・八重と息子・市太郎も住処を失くしてしまう。やり過ぎだと貧乏神に詰め寄る彦四郎だったが、逆に自分が逃れたいが為に他人に平気で難を押し付けるような人にとやかく言う資格はない、とたしなめられてしまう。
貧乏神の言葉に自分の行為の恥ずかしさに気付いた彦四郎。次に疫病神がやってくると告げられるが、もう逃げることなく自分で受け止めようと決意する。


数日後、現れたのは九頭竜と名乗る関取の格好をした疫病神。
怠け者の兄から家督を受け継ぎ、影武者を務める際に必要な武具の手入れの仕事を仰せつかった彦四郎だったが、疫病神のせいで次第に体調が悪くなる。病気の苦しみに絶えながら、ただひたすら自分に与えられた仕事をこなそうとする彦四郎に、次第に疫病神の気持ちも変化してくる。真面目な人間に難を与える気はなくなったと、勝手に兄の左兵衛に宿がえしてしまう。彦四郎の体調は戻り、兄は病に伏せ遊ぶ事もできなくなる。やがて疫病神は、病気は養生すればよくなることもあると言って去って行く。


元気になった彦四郎だったが、ついに死神が現れた。おつやと名乗る死神の容姿は幼い女の子。死の覚悟を決めている彦四郎は、お腹をすかせていたらご飯を食べさせてあげるなどおつやに優しく接する。しかしおつやは死神。どうやって彦四郎の命を奪おうか考えていた。ある日、彦四郎は息子の市太郎に刃物で命を狙われる。危機一髪助かったものの、実の息子に命を狙われたことに大きく動揺する。彦四郎はおつやに死ぬことの意味を考えたいからと言い、死を少し待ってもらうように頼む。


死について悩みながらも、彦四郎には気になっていることがあった。疫病神にとり憑かれながらお役目をしていた頃、武具の倉庫にやってきた勝海舟が一緒に幕府を倒さないかと誘ってくれたことと、彦四郎を見て将軍・慶喜にそっくりだと言ったこと。
反乱軍に押され、慶喜が関西から関東に逃げてくることを死神から教えてもらった彦四郎は、一目拝んでみたいと無謀にも会いに行く。道端で運良くお目通りが叶い将軍の姿を目にした彦四郎は、確かに自分と瓜二つであることに驚くも、家来たちが戦う中こそこそと逃げてくるだらしない将軍に情けなさを感じていた。
そのことがきっかけで、彦四郎の後悔しない死に方にひとつの道筋が見えてくる。


慶喜も妻夫木くんが演じています。彦四郎とは正反対で将軍としての自覚もなく、卑怯で無責任な感じ。実際にどんな人だったのかはわかりませんが、本当に将軍があんなに軽い感じの人だったらがっかりです。
最初は全くのコメディだったのに、後半になるにつれ、生と死という重いテーマを考えるようにできていたのは意外でした。
色々考えた末、彦四郎は自分で最期を決めますが、その結論は現代の考えにはそぐわないかなぁ、と言う感じ。まぁ彦四郎の選択もわからなくないですが。最後死神が彦四郎と一心同体になったのだけはよく意味がわからなかったです。

上映前には降旗康男監督の舞台挨拶がありました。監督って怖そうな人が多いですが、大らかで口調も優しくずっと笑顔でそしてお酒が大好きで、とても素敵な監督さんでした。監督の温かい人柄が作品に出ている気がします。1300円。


よみうりホールにて試写会鑑賞 上映時間:1時間47分

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