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zoom RSS 『暗いところで待ち合わせ』

<<   作成日時 : 2006/12/18 00:03   >>

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珍しく原作を読んでいて面白いと思ったストーリーでした。
盲目のミチルと殺人容疑をかけられたアキヒロの奇妙な同居生活。原作では、両方の立場から主観的に描かれていて心理描写が多いのですが、映画では客観的にバランス良く描かれていました。


作品は大きく三章に分けられています。「ミチル」、「アキヒロ」、「ミチルとアキヒロ」の3つ。

「ミチル」の章では、父と二人静かに暮らしていたミチルが、ある日突然父を亡くすところから始まります。全盲での独り暮らし。他人とはほとんど係わらず、一日中家の中で生活を送る日々。ある日、玄関のドアを開けた隙に男性がこっそり家の中に忍び込みます。おかしな気配を感じ取り、耳をすますが何も聞こえず、触ってみても違いはありません。疑問を持ちながらもいつもと変わらない規則正しい生活を続けます。

「アキヒロ」の章では、ミチルの家に忍び込むまでのアキヒロが描かれています。
日本人と中国人のハーフの彼は、小さい頃は中国で育ち、日本語はあまり上手ではありません。勤務先の印刷会社でも人と馴染めず、先輩の松永(佐藤浩市)からは毎日のように嫌がらせを受けていました。ある日、地元の駅が同じ松永がホームから転落、急行電車に引かれ即死。近くにいたアキヒロは、呼び止める駅員を振り切り逃げてしまいます。そして逃げ込んだ先が、毎朝ホームから窓を開ける姿を見ていたミチルの家でした。
靴を脱ぎ、物音がしないよう静かに家の中を移動。リビングの窓際に居場所を決め、窓から駅の様子をしばらく伺うことにするのです。

ミチル役の田中麗奈もアキヒロ役のチェン・ボーリンも、どこか孤独や寂しさを抱える役柄にぴったりだったと思います。
ミチルは家でのシーンはほとんどセリフが無いのですが、誰かがいることに何となく気付いていることを仕草でうまく表現していました。田中麗奈の作品は初めて見ましたが、演技が上手で驚きました。
チェン・ボーリンも陰のある雰囲気は良かったのですが、日本語がたどたどし過ぎて棒読みに聞こえてしまい、会社で同僚と話をするところなどはちょっと痛々しかったです。それにあんなに自分の殻に閉じこもっていたらちょっと感じ悪いかも。

最後の「ミチルとアキヒロ」の章では、二人がお互いの存在を認めながらも静かに暮らす日々から、ミチルの友人・カズエ(宮地真緒)とハルミ(井川遥)を巻き込みながら、転落事故の真相が明らかになっていく様子が描かれます。

最初は人の気配に恐怖を感じていたミチルが、だんだん気持ちを和らげていくところは時間をかけて表現されていました。そして二人が向かい合って食事をするシーンは心温まります。もちろん食事中もひとことも会話はありませんが。

三章に分けたのはメリハリが出てよかったと思います。セリフの少ない静かな映画なので、順序良く淡々と描かれたら眠くなったかもしれません。

せっかくいい流れできたのに、最後の章で突然サスペンス要素が強くなり、事件解決に向けてグッと動き出すのが唐突過ぎる感じがしました。ミチルが事件についての憶測を急にしゃべり出すのも金田一のようで少し違和感がありました。
原作に忠実といえばそうなのですが、読んでいない人は急展開に驚くと思います。

それでも最後は希望の見える終わり方で、やはり憎めない作品。レイトショーで観ましたが、1200円なら妥当です。


109シネマズ川崎にて鑑賞 上映時間:2時間9分

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