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zoom RSS 『硫黄島からの手紙』

<<   作成日時 : 2006/11/29 00:02   >>

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友人に誘われて日本武道館でのワールドプレミアに行ってきました。
『プレミア』と名の付く試写会に行くのは初。出演者は全員日本人ですが、クリント・イーストウッドが来ていることもありとても華やかな雰囲気。観覧に来た芸能人の面々も豪華でした。
2階席だったので舞台挨拶に立つ俳優さんの顔までは見えませんでしたが、雰囲気を味わえて満足でした。


硫黄島シリーズ第二弾、日本側から見た硫黄島。

第一弾に続き、映像はセピアがかって色彩が乏しく、荒廃した様相が一層強く感じられます。舞台はほとんどが硫黄島。その分銃撃シーンが多めで、父親たちの星条旗よりハードな内容です。


米軍の襲撃に備え、砂浜に穴を掘る兵士たち。その作業中、新たに指揮官となる陸軍中将・栗林(渡辺謙)が硫黄島に降り立ちます。アメリカに留学経験のある栗林中将は、柔軟な考え方の持ち主。従来のやり方にとらわれず、少数で大軍を迎え撃つのに適した作戦を考え出そうと奔走します。
兵士も大事にします。すぐに体罰を加え殺そうとするやり方を止めさせ、殺すより賢い罰を与える、と唱える頭のいい指揮官です。

優秀な栗林中将に窮地を三回救われるのが、二宮和也演じる西郷です。穴を掘りながら『こんな島アメ公にやっちまえ!』と呟くような、戦争や死に違和感を抱く青年。なげやりな態度を何度かさらし、観ている方を冷や冷やさせます。日本にいる妻子に何通も手紙を書き、とにかく家族のことを思います。

西郷が主役と言っていいほど出番が多く、話題の中心で描かれていました。二宮くんは舞台挨拶でも出てきましたが子供っぽくて妻や子がいるようにはとても見えませんが、その頼りなく弱々しそうな感じがこの役に上手くハマっていました。
演技もどこがいいとはハッキリ言えないのですが、なんとなく印象に残ります。『青い炎』を観た時にも思いましたが、どこか切なそうな雰囲気が後を引くのです。


アメリカ軍が上陸を開始、栗林はギリギリまで攻撃の指示を出しません。浜に米兵がびっしり並んだところで、穴の中から一斉に銃撃開始。洞窟を行き来する姿を見せない戦いが始まるのです。

第一弾を見た限りでは、日本軍は工夫を凝らし、入念な準備をして戦いに挑んだのだろうと思いましたが、実はそうでもありませんでした。陸軍と海軍は最後まで仲が悪く協力できない状況だし、迷路のようにつながる穴の中も常に混乱状態。栗林中将に背く者も出てきます。
隊それぞれに担当の洞窟があるのですが、雨の様に落ちてくる爆弾に洞窟を守りきれず自爆するシーンはまともに観ていられませんでした。

穴を準備したとはいえ、兵士の数も武器の数も遠く及びません。勝つための戦いではなく、日本本土に米軍の上陸を遅らせるためだけの負けて当然の戦い。ボロボロの状態でよく35日間も戦ったものだと思ってしまいました。


西郷と同じ隊に途中から派遣された清水(加瀬亮)が印象に残りました。西郷とは正反対の真面目な性格でソリも合わないのですが、二人は行動を共にすることになります。
エリート出身の清水は、日本軍に忠誠を誓い国のために戦わねばと必死で自分を戒めます。しかし根は優しく犬を撃つ事もできません。軍への忠義と生へのこだわりの間で追い詰められる兵士。奔放に振舞える西郷のような人物より、本当は清水のような人物が多かったのでは・・・。ここまで描き切ったクリント・イーストウッドはやはりすごいです。

栗林中将の良き理解者、オリンピック馬術競技の金メダリスト、西中佐(伊原剛志)の存在も大きかったです。
アメリカで大人気だったというメダリストだけあり、英語も堪能、考え方も進歩的。『出口のない海』の公式HPに西中佐のことが書いてあります。これを読んだ時、優秀な人材を戦争で失ったことにとても残念な気持ちになりましたが、この映画を観て、きっと西中佐は現地で戦う兵士たちの希望の星だったと思えました。明るく寛容でとても素晴らしい人でした。


擂鉢山が米軍に占拠され、山と反対側にあった日本軍の中枢も次第に追い込まれます。最期が近づく中、栗林中将はひとり家族宛に手紙を書きます。鳴り止む事のない砲撃の音と振動に脅かされながら、届く事はないとわかっていながらも書き続ける姿に、家族への強い思いが伝わってきて胸を打たれます。


戦前、島には一般の人が住んでいました。戦いが始まる前に、栗林中将が島民を本土に避難させます。そのため島民が犠牲になることはありませんでした。送り込まれた兵士のみが知る小さな島での厳しい戦い、多くの犠牲者が出たにもかかわらず、硫黄島の戦いが後世に知られる機会が少なかったのはそのせいかもしれません。

悲惨な戦いがあったという事実を知るという意味で観る価値のある映画です。父親たちの星条旗と重なる部分もあるので両方観た方がより理解が深まります。2本とも1800円以上の重みがあり、長く心に残る作品になると思います。


日本武道館にて試写会鑑賞

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