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zoom RSS 『オリヲン座からの招待状』

<<   作成日時 : 2007/11/02 00:55   >>

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見終わって数日経っても、ひとつひとつのシーンがハッキリ思い出せる、心に残る映画でした。


物語の中心は昭和30年代。冒頭の街並を観て、あれ?「Always 続・三丁目の夕日」とちょっとかぶってる・・・、と思ったのは私だけでないはず。でもテンポも空気感も全く違うので、そのうち気にならなくなりました。


京都の小さな映画館・オリヲン座が舞台。
京都弁というのでしょうか、「・・・してはります」という柔らかいことばが美しい。宮沢りえは設定は違えどサントリー・伊右衛門のCMからでてきました、という感じで話し方も自然です。

松蔵(宇崎竜童)とトヨ(宮沢りえ)夫婦が営むオリヲン座に、大津から仕事を探して出てきた留吉(加瀬亮)が雇ってくれと転がり込みます。この時留吉はなんと17歳。加瀬亮は硫黄島からの手紙の時も10代の役だった気がしますが、本当は30歳超えてるんですよね、許容範囲が広くてすごい。少年っぽさを残しつつ、でも頼りがいがある様に見える場面もあるし、派手さはないけど記憶に残る役者さんです。

松蔵亡き後、留吉が遺志を継ぎ、オリヲン座を続けます。美人の奥さんを寝取ったと噂され近所付き合いは減り、時代の波はテレビへ移行し映画は下火に。客足は遠のくばかりでついに観客が1人もいない状態に。それでもトヨと留吉は、どんな貧乏をしてもオリヲン座を守り続けます。


ストーリーは淡々と進んでいきます。セリフも少ないです。余計なエピソードやセリフや音楽は一切入っていません。その分ひとつひとつのシーンに時間がかけられていて、音のない場面にも大きな意味を感じます。観る側の感受性を最大限生かす作りというか、観る側が感性を働かせないと「つまらなかった」、で終わってしまうかもしれません。

早くに夫を亡くした女性と、居住を同じくする男性。勝手に想像して、トヨは留吉より5歳から7歳くらい年上でしょうか。微妙です、とにかく微妙な関係。トヨはもちろん、留吉も松蔵のことを尊敬しているし、何としても遺志を継ぎオリヲン座を守りたいと思っているし、純粋に映画が好き。でも生きているもの同士、お互いに愛が無かったら、老いるまで一緒に続けていくことはできないはず。


あのときの言葉はプロポーズだったのか?どうなのか?そんな微妙なセリフがあります。どっちだろう?考えてもわかりません。個人的にはどっちでもいいです、ただ、そんな曖昧さを残すところがお互いを思いやる愛情が感じられてわりと好きだったりします。
他にもそんなグレーゾーンな曖昧なセリフが多く出てきます。言い方を変えればハッキリしないというか。すぐ近くにいるのに、一定の距離感があるんです。白黒付けたい人には耐え難い部分かもしれませんが、古い時代、白黒付けたくても付けられないことも多々あったかもしれません。そのあたり、かなり大人な心情表現だなと思います。

主演2人のシーンが圧倒的に良かったですが、原田芳雄演じる年老いた留吉が、謝恩最終興行にやってきた祐次と良枝に対して「君たち2人が一番私たちをわかってくれていた」というようなことを言うシーンはジワジワ心に染みました。好きだってストレートに言うより、2人の間に愛があったことがよくわかりました。


トヨと留吉は長年連れ添い、きっと色々な苦労があったのでしょうが、それほど貧乏や苦労の話は詰め込まれてません。物足りないと思うこともできるけど、苦労したかかどうかは観ていれば想像がつくので、苦労の部分を強調しすぎず、末永くお互いを思いやり一緒に過ごした、ということがよくわかるように作られていたのはよかったと思います。貧乏で、なお且つ複雑な関係、それでも添い遂げるって素晴らしいことだし、簡単にはできないことだと思いました。


オリヲン座の中の様子は、実際に横浜の閉館した映画館を借りて撮影したそうです。ここ数年、横浜、関内あたりでは昔ながらの映画館が次々に閉館。関内MGA、ヨコハマ・シネマ・ソサエティ、横浜日劇、伊勢佐木町東映・・・。
段差が無くて前の人の頭が邪魔になりイラッとくることもありましたが、単館系や他では上映が終わってしまった作品などが観られて、結構便利だったんです。なんとかシネマ・ジャック&ベティが復活してくれて喜ばしい限りですが、シネコンの影響は大きいです。と言ってる自分もシネコン利用しまくってますが。


50代、60代でも観られるような、予想外にかなり大人向けの作品。夫婦や付き合いの長いカップルで観に行くと、祐次と良枝の様に、過去の初々しい気持ちを思い出して現在を見つめ直せるかもしれません。試写会だけでなく、公開されたらお金払って観てこようか悩んでます。1500円。


ニッショーホールにて鑑賞 上映時間:1時間56分

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