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zoom RSS 『サイドカーに犬』

<<   作成日時 : 2007/06/14 00:27   >>

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竹内結子の復帰作ということで期待していました。美しさはとびっきりで惚れ惚れしてしまいます。今回の役に関してはカッコよさもプラスでとても魅力的でした。
『雪に願うこと』の根岸監督ということで、人のつながりを描く温かい作品なのだろうと予想していましたが、どう解釈したらよいのかよくわからない点がいくつかあって、やや難しく、温かさを感じるより考え込んでしまいました。原作を読んだらもう少し理解が深まるのかもしれません。


不動産会社に勤める薫はもうすぐ30歳。真面目に仕事をこなす日々に疲れを感じ、ある日会社を急に休んでしまう。気分転換に出かけたのはよく行く釣堀だった。
顔なじみの店長に店番を頼まれた薫は、そこで小学生の女の子の餌付けを手伝う。女の子との会話がきっかけで、10歳の夏休みに起こった出来事を思い出していく。


几帳面でしつけに厳しい薫の母が家出したのは、薫が10歳の夏休み。会社を辞めて、新たに始めた父・誠の中古車販売業が気に入らなかったらしい。
ある日、薫が1人で家にいると、知らない若い女性が入ってきた。タバコを一口吸うと、食事を作るから買い物に一緒に行こうと言う。若くてキレイでかっこよく、母とは全く違うその女性に、会ったばかりだが薫は確実に惹かれる。
スーパーではカレーの材料とともに薫の好きな麦チョコをまとめ買い。大胆な買い方に薫は驚くと同時に嬉しくなる。

その女性の名は”ヨーコ”さん。誠の愛人なわけだが、子供だった薫には、ヨーコさんがどこに住んで何をやっているかなど、詳細は一切教えられなかった。
その日以来、ヨーコさんは毎日食事を作りに家にやってきた。誠と薫と弟・透と、そしてヨーコさんの共同生活が始まる。


設定は80年代初め。麦チョコを始め、懐かしいものがたくさん出てきます。中古車販売に仕入れる車も年代ものだし、ノーパン喫茶から安く買い上げてきた「パックマン」も今では記憶の底に埋もれてしまった懐かしすぎるアイテム。コーラの250ml缶は全く見なくなってしまいましたが、どこかでまだ存在しているのかなぁ。

ヨーコはとにかく自由。母に骨が溶けるからダメと言われ飲めなかったコーラも、ヨーコは全く気にせず飲みたいなら飲んでみな、という感じで薫に買ってあげます。カレーのお皿に麦チョコを入れ、「ほら、餌だ。」と透に渡したのは笑えました。
物事に対しては大雑把だけど、人に対しては優しく繊細な印象。真面目な薫に対しては子ども扱いをせず、対等の友達として接します。感情表現の乏しかった薫も、自由なヨーコと一緒に過ごし親しくなるうちに、次第に内面の豊かな想像力を口に出すようになります。


ある晩、2人は山口百恵ちゃんの家を見に行こうと散歩に出掛けます。
色々話をする中で、ヨーコが薫に尋ねます。「人を飼う方と人に飼われる方だったら、どっちがいい?」薫の答えは、「前にサイドカーに犬が乗っているのを見たことがある。あの犬だったらなってもいいかな」
歩き疲れたヨーコは、誠にお迎えお願いの電話をします。しばらくして現れたのは、車庫で大事に保管しているサイドカー付きバイクに乗った誠でした。ヨーコがサイドカーで来るよう頼んだのです。サイドカーに乗って嬉しそうに笑う薫。結局百恵ちゃんの家は見れずじまいでしたが。


鑑賞中は、サイドカーに乗った犬が何を表しているのか、なんで薫があの犬ならなってもいいと言うのかがよくわからず、サラッと流してしまったのですが、後から考えると、このサイドカーと犬はやはり題名にもなってるだけあって重要な意味を持っているようです。
サイドカーに乗るという大事にされている感や、主人の左側でそっと寄りそう感じは、なんとなく女性らしく控えめで品のある印象。そういうのが嫌いじゃないヨーコと薫は価値観が合っていたのかな、と思いました。


中古車販売の売人から、ヨーコは突然呼び出される。危ない業界に半分足を入れながらも、煮え切らない誠の態度に言いがかりをつけに来たのだ。10万払えばもう口は出さないというその売人に、ヨーコは10万円渡してしまう。
そのことを知り、怒った誠はヨーコに手切れ金代わりの当たり馬券を渡し、メシは作りに来なくていいと言ってしまう。
薫と2人でパンケーキを食べながら、ホロッと泣くヨーコは切なかったです。


その後、「夏休みの思い出作りを手伝って」と言って、ヨーコは薫を連れ急遽伊豆に一泊旅行に出掛けます。
さっきの涙はどこへやら、楽しそうなヨーコ。到着して宿が見つからなくてもなんとかなるさと豪快さが戻ってきます。当たり馬券を換金し、大金を手にしていたヨーコは、薫のために絵の具などお絵かきセットを買い、宿題の画を伊豆の海で描かせてあげます。

宿は海でアイスクリームを売っていた人の家に間借り。夕食の時、その家の婆さんが「あんたたちはどんな関係?親子にしては歳が近すぎるし、姉妹にしては離れすぎてる。愛人の娘を連れまわして、返して欲しかったら奥さんと別れろと言うんだろう」と言う様な事を言います。鋭いことを言われ、ムッとするヨーコ。その顔に薫はヨーコの別の顔を見たようで、心細さを覚えます。
夕食後、ヨーコのお風呂の誘いを断り、薫は家に電話を掛けます。その様子をヨーコに見つかり、慌てて取り繕うとする薫。ぎこちない空気が2人の間に流れます。

宿の婆さんを演じている樹木希林のインパクトがすごい。肌を浅黒く塗り、一体誰?と言う感じ。少しとぼけた感じが笑えます。ごく真面目なストーリーだと思っていたので、笑えるキャラクターが出てきたことが驚きでした。


翌朝、宿で薫が目を覚ますと、ヨーコはもういなかった。
海でフジツボを採っているヨーコは、昨晩のことなどなかったかのようにいつもの明るいヨーコだった。
そこでヨーコは昔家族で一度ここに来たことがある、小学生の頃は自分も内気だったから無理矢理連れて来られたと薫に打ち明けます。
「嫌いなものを好きになるのは簡単だけど、好きなものを嫌いになるのは難しいね。」と言うヨーコの寂しそうな顔がとっても印象的でした。ヨーコは自分が気分転換したかったというのもあるだろうけど、お別れする前に薫に2人の思い出を作ってあげたかったのかなと思います。

2人が家に戻ると誠は外出、透がひとりでプラモデルを作っていた。
しばらくして、玄関の扉が開き、入ってきたのはなんと母親。母はヨーコの姿を見るなり怒鳴りつけ、頬をビンタする。取っ組み合いになり、追い詰められたヨーコは母に頭突きして倒し、そそくさと家を出て行ってしまう。それがヨーコの姿を見た最後となった。


その後、両親の離婚が決まり、薫は母に、透は父に引き取られることになります。別れの時、薫は突然誠のポッコリお腹に何度も頭突きをし、それから顔を見上げて「ワン!」と言います。このシーンは難解です。父親に甘えたかったのか、寂しかったのか、どうしたかったのか、考えてもよくわかりませんでした。


10歳の少女が経験するには確かに刺激的で一生記憶に残りそうな夏休みです。
子供の頃、ヨーコみたいな大人に出会っていたら、違う考えかたができるようになっていたかもしれません。
ヨーコのサバサバした性格は、強烈過ぎると鬱陶しく感じられそうですが、度を過ぎず繊細さを持ち合わせていたところが心地よかったです。そしてなんと言っても竹内結子がかわいかった!薫役の子役もなかなかかわいかった。
竹内結子ファンと、繊細なストーリーが好みの人にはぴったりの作品だと思います。個人的には、サイドカーに乗せられたちょっとマヌケな犬の姿が忘れられません。やっぱ人間でしょう、乗せるなら。1200円。


ヤクルトホールにて試写会鑑賞 上映時間:1時間34分 

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