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zoom RSS 『俺は、君のためにこそ死ににいく』

<<   作成日時 : 2007/05/11 00:12   >>

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現都知事の石原慎太郎が脚本と製作総指揮を担当した感動巨編、ということですが、正直あまり面白くなかったです。
実在した食堂のおばちゃん、鳥濱トメさんご本人から聞いた話をもとに作られています。


第二次世界大戦末期、飛行学校のある鹿児島・知覧で食堂を営み、隊員からお母ちゃんと慕われた鳥濱トメさん。食事の世話はもちろん、時には相談ごとなども聞き、隊員達の心の拠り所となっていた。
日本敗戦の色が濃くなる中、知覧が特攻基地として指定された。特攻に志願し、各地から知覧に送り込まれる青年達。日々飛び立っていく青年達にトメは最後まで温かく接し、遺品を預かっては親元に郵送する当時禁止されていた危険な役目も引き受けていた。
出撃した者達の行く末は様々だった。目的通り敵空母に突撃した者もいれば、敵艦まで辿り着けずに命を落とす者、何らかの理由で知覧に戻ってくる者もいた。
最後の抵抗もむなしく、広島・長崎に原爆を投下された日本はやがて終戦を迎える。生き残った隊員は白い目で見られた。死んでいった仲間の事、周りからの非難、元隊員達は苦しい思いを胸に生きていく事になる。


基地の周りは緑が多くのどかな場所で、特攻などとは無縁のような雰囲気です。そこから悲壮な覚悟で出撃していった若者が多数いたかと思うといたたまれない気持ちになりました。
特攻機は新品ではなく、傷んだ物を修理して何とか飛べるようにしたものがほとんど。こんなオンボロ機で知覧から何百キロもひとりで飛ぶなんて考えただけでもぞっとします。


物語はトメさんと隊員達のやりとりを中心に、家族や恋人とのエピソードが描かれます。
主役は徳重聡演じる中西少尉ですが、出てくるのは中盤以降で、他にも多くの青年が出てきます。

窪塚洋介演じる坂東少尉は、親に内緒で特攻を志願した熱い男。仲間と一緒に出撃したものの自分だけ生きて帰ってきてしまい、次こそ自分もと気をはやらせている。
生きて戻ってきたことで、知覧までやってきた親・兄弟に再会します。幼い弟が兄に行かないでとせがむシーンは心が痛みます。

筒井道隆演じる田端少尉は、日本の敗戦を予期する冷静な人物。特攻に対し疑問を抱いていた。出撃しても飛行機の調子が悪いといって戻ってきてしまう。何度か続いたので周りからはわざとではないかと言われてしまう。再度出撃する日の前夜、愛する女性が会いに来た。田端は、明日命を落とすかもしれない身であるがために、彼女と入籍できずにいた。

中西少尉は地元の女学生と恋に落ちる。出撃前夜、彼女の家に明日出撃しますと挨拶に行く。帰る途中、後を追ってきた女性とわずかながら2人だけの時間を過ごす。
後半から出てきた中西少尉が、いつの間に女性とそれほど恋仲になったのかはよくわかりませんでした。

他の青年とトメさんのやりとりも沢山盛り込まれています。
トメさんは隊員達のことを一番に考え行動し、例え憲兵に睨まれようと屈する事はありません。皆そんなトメさんを慕い、出撃前に会いに行くのです。遺品を預けに行く者、料理を食べに行く者、ただ胸のうちを話に行く者など用件は様々です。
どれも当時の状況・思いが伝わってくるシーンですが、やや出演者が多すぎです。場面もコロコロ変わるので、だんだん集中力がもたなくなってきて、この人は誰だっけ?状態になってしまいました。


題名で『君のためにこそ死ににいく』と言っているぐらいなので、『君』に対しての強い思いがいつ伝わってくるのかと待っていましたが、案外どれも薄っぺらい感じで、一体誰のためにどれほどの思いで死にに行ったのかよくわかりませんでした。
その割には、あまり必要ないのではと思える場面や、わざわざ描かなくても想像できる場面に時間が割かれていて、無駄に長い映画になっている気がしました。
生きて戻った隊員達が、心に深い傷を負い、苦しみながら生きていった最後は印象的でした。戦争の怖いところは、戦いが終わっただけでは全てが終わらないということだと改めて思います。


ひとつひとつのエピソードは心に染みるものだし、トメさんは素晴らしい方で存在が大きかったこともよくわかるのですが、映画としてはイマイチです。脚本が良くないのか、俳優の演技が良くないのか・・・、両方でしょうか。石原都知事の自己満足?という感も否めません。劇的にしなくても、もう少し人物を絞って内容を詰めたほうが見応えがあったのではないかと思います。
井筒監督がこの作品を若者を右に倣わせるものだと批判していますが、正直そこまで言うほどインパクトのある作品ではないように感じました。

当時の状況を少しでも知りたいとか興味があるなら1000円、ただ映画を楽しみたいというだけなら観なくてもいいと思います。


よみうりホールにて試写会鑑賞 上映時間:2時間20分

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