Scotch Park スコッチパーク

アクセスカウンタ

zoom RSS 『ラストキング・オブ・スコットランド』

<<   作成日時 : 2007/03/30 00:10   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

アミン大統領役を演じたフォレスト・ウィテカーがアカデミー賞の主演男優賞を獲得したのでどんなもんかと観に行きました。フォレスト・ウィテカーの演技は素晴らしかった。迫力がありました。作品自体も緊張感があり面白かったです。

1970年代にウガンダで大統領に就任したイディ・アミンの人物像をスコットランド人主治医・ニコラスの視点から描いた作品。アミンは実在する人物で、彼の打ち出した政策や、起こった事件は実話をもとにしています。ニコラスについては全くのフィクション。アミンと交流のあった欧米人たちを参考にして作り出したキャラクターだそうです。


スコットランドに住むニコラスは、医学校を卒業したばかりの新米医者。貧しい国で人を救いたいという理想があり、ウガンダに医者として赴く事になった。その頃、ウガンダはクーデターによりオボテ政権が倒れ、アミン政権が誕生したばかり。アミンはボクシングの元ヘビー級チャンピオンで国民的なヒーロー。国全体が期待で盛り上がっていた。

ウガンダのムガンボ村にある診療所でニコラスは働き始める。先輩の医者と共に治療を施す日々。予想より単調な生活だということに気付き始めた頃、村にやってきたアミン大統領の演説を聴く。大統領の堂々とした振る舞いと圧倒的なカリスマ性にウガンダ国民同様心惹かれる。
演説を終えたアミンを乗せた車が、帰る途中で農耕用の牛と接触。アミンは手を負傷する。急遽呼び戻されたニコラスが手当を行う。近くでは、接触で怪我をした牛が苦しんで大きな泣き声をあげていた。イライラするニコラス。包帯を巻き終えると、とっさにアミンの腰から銃を抜き取り、牛に向かって発砲。その勇気ある大胆な行動をアミンは気に入る。以前からスコットランドに傾倒していたアミンは、ニコラスがスコットランド人と知り、制服の交換を申し出る。その人当たりの良さに、ますますニコラスは惹かれる。

数日後、ニコラスはアミンから呼び出される。村まで大臣のワッサワが迎えに来た。黒光りする大統領専用車に乗せられ、ニコラスは首都・カンパラへ。特別扱いに上機嫌。広々とした車内で姿勢を崩し、大統領でもないのに外にいる人々ににこやかに手を振る。
カンパラにあるアミンの豪邸で2人は再会。アミンは自分の主治医になってくれとニコラスに頼む。村での契約が残っている事を理由に最初は断るが、主治医として優雅に暮らすのも悪くないと考え直し、アミンとアミンの家族の主治医になることを承諾する。


ニコラスを演じているジェームズ・マカヴォイは実際にスコットランド出身で、しかも上品な顔立ちなので役にピッタリ、違和感がありません。アミンの制服と交換した「Scotland」と書かれた緑のTシャツがとても良く似合っていました。
ニコラスは地球儀を回して指が当たったことでウガンダに来たわけですが、軽く決めたわりには村での仕事振りは真面目で丁寧。患者にも優しい。空いた時間には子供たちとサッカーをして過ごすなど、村の人々にも人気がありました。若いのに偉いな、と感心してしまいます。この辺りまでは安心して見ていられたのですが、カンパラに行く辺りから、やや雲行きが怪しくなってきます。若気の至りで何かしでかしそうな気配が漂ってくるのです。ちょっといい気になっているニコラスに、観ている方がドキドキしてきます。


アミンから与えられた家で、カンパラでの生活が始まる。頭の回転が早く、センスのいいニコラスは、すぐにアミンのお気に入りに。肩書きは主治医だが、公共工事の入札会議など、担当外の仕事まで任されるようになる。
ある日、アミンの第2夫人・ケイの息子が喘息で苦しんでいるところを救う。アミンからは感謝の意としてベンツのスポーツカーを贈られる。
数日後、アミン一行が移動の途中、前政権のオボテ派に襲撃される。アミンは偶然公用車ではなく、ニコラスが運転するベンツに乗っていたため間一髪で助かった。スケジュールが外部に漏れているのは内部に裏切り者がいるからだと激怒するアミン。この出来事をきっかけに、アミンの側近に対する疑心が増大、怪しい者は次々に外された。ベンツに同乗していたニコラスへの信頼はさらに厚くなり、仕事の量も種類も増えていった。

ある晩、ニコラスはバーで、大臣のワッサワが白人と密談しているのを見かける。不審に思ったニコラスは、アミンの期待に応えたいという思いもあって、ワッサワの行動を調べた方がいいと忠告する。
ワッサワの姿が見えなくなって数日後、イギリス人の高等弁務官ストーンからワッサワが処刑されたことを聞かされる。疑わしい者を皆殺しにする残虐な手法にやっと気付いたニコラス。アミンの元に向かい、批判するが、逆にアミンに「ワッサワを殺したのはお前だ」と言われてしまう。アミンのもうひとつの姿に恐ろしさを覚えたニコラスは、その場で辞職して帰国することを願い出るが、時既に遅し。ウガンダの奥深くに入り込んだからにはウガンダ国民同様であり、帰国は認められなかった。

ニコラスが外出している隙に、アミンの側近によって家が荒らされた。テーブルに置かれていたのはウガンダ国民を証明するパスポート。愕然とするニコラス。ストーンに助けを求めるが、以前ストーンの頼みを無視したニコラスは冷たくあしらわれる。落ち込むニコラスを慰めてくれたのが、第2夫人のケイだった。優しさに甘え、関係を持ってしまうニコラス。やがてケイの妊娠を知る。アミンにばれたら2人とも処刑だ。パニックになったケイは慌てて病院に行き、そこでばれて無残な姿に。恐怖と怒りを抑えられないニコラスは、医者の立場を利用して、ついにアミンを暗殺しようとする。


アミンはかなりの気分屋です。機嫌のいい時は、大らかで豪快で愉快で、とても魅力的。人を褒めるのも上手で、いいところを指摘してどんどん自分の味方に付けていきます。しかし、そのパワーが悪い方へ向かうと、とことんわがままに。そこにオボテ派に命を狙われたことで生まれた疑心が絡み、次第に狂気じみてきます。気に入らなければすぐ処刑。それは一般国民にも同じ。明るかったアミンが笑顔を失い、狂ったように無茶苦茶な言動で人々を追い詰める姿は恐怖以外何ものでもありません。
ニコラスの助言を生意気だと一蹴した次の日には、なぜ忠告しなかったと迫るありさま。ラストの方で、ニコラスが「あなたは子供だ。だからなおさら怖い。」と言うのですが、本当にその通り。何を考えているのかが全くわからない。次に何を言い出すのか、という側近の緊張感がひしひし伝わってきます。


表面的にはアミンの恐ろしい言動ばかりが目立ちますが、ニコラスの無知で勝手なところも気になります。アミンの近くにいながら、彼の本質を感じ取れない鈍感さ、夫人と関係を持ってしまったこと。アミンの為を思ってしたことだろうけど、医療行為以外の仕事に首を突っ込んでしまったこと、自分の立場と役割をしっかりわきまえていなかったこと。そういう無責任なところがウガンダの人々を更に苦しめているのに、それに全く気付いていないこと。白人だから、欧州人だから、いざとなったら何とかなる、というような傲慢で軽率な気持ちが度々垣間見えるのです。これが欧州の人々のアフリカに対する本心なのかもしれません。


アミンは国家調査局と呼ばれる部隊を組織し、疑惑のある人を次々に処刑したそうです。大統領在任期間は9年ほどですが、その間に30万人もの人々を虐殺したと言われています。極悪な独裁者ですが、この作品では、虐殺については軽く触れられている程度で、一般の人々のむごいシーンはそれほどありません。あくまでニコラスの目線に沿っていて、フィクション性を強く出しています。


ラストはうまくいきすぎな感も否めませんが、実際に起こったエア・フランス機のハイジャック事件を絡めて作られているので緊張感はあります。撮影も多くがウガンダで行われたということで、映像にリアリティがあります。村には何も無いのに、首都のカンパラが発展してるのには驚きました。見応えは十分なので、上映劇場が少ないのが残念です。1600円。


TOHOシネマズ川崎にて鑑賞 上映時間:2時間5分

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『ラストキング・オブ・スコットランド』 Scotch Park スコッチパーク/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる