Scotch Park スコッチパーク

アクセスカウンタ

zoom RSS 『となり町戦争』

<<   作成日時 : 2007/03/12 00:32   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

隣接する二つの町が、ある日突然戦争を始めるという、とても奇妙なお話です。
戦争という言葉はたくさん出てきますが、戦闘シーンはありません。のほほんとした田舎町とちょっとコメディタッチの表現が、戦争のイメージとは程遠い雰囲気を醸し出していますが、自分が知らないうちに戦争に関わっているのかも、と考えさせてくれる作品です。


舞坂町に住む北原修路は、旅行会社に勤めて1年になる営業マン。東京から移り住み、ゆったりと時間の流れる田舎の生活にそれなりに満足していた。
ある晩、町の広報誌に小さく載せられたお知らせを見つける。「舞坂町はとなり町の森見町と戦争をします。開戦日は5月7日。終戦予定は8月31日・・・」

開戦から数日経ったが、町に変わった様子はみられない。いつもと同じほのぼのとした風景。本当に戦争などやっているのかと疑っていたが、ある日の仕事中、役場の対森見町戦争推進室の香西という女性から、北原の携帯に電話がかかってくる。何でも偵察員に認定されたらしい。事情が良く理解できない北原だったが、通勤途中に通過する森見町の様子を毎日報告してくれるだけでいいと言われ、その程度ならと思い任務を引き受けてしまう。


主演の江口洋介の普通っぽさが良かったです。少し大げさな演技をするイメージがあったのですが、田舎町でも浮くことなく、いてもおかしくないぐらいの地味さで馴染んでいました。
北原が働く”ツーリストスカイ”がまた田舎臭くていい味を出しています。女性の事務員は自分の席で化粧を直したり携帯をいじったり。部長はそれを戒める様子も無く仲良くしゃべっています。暇そうで3人もいればやっていけそうなのに、社員が10人ぐらいいるところが笑えます。

香西はとっても真面目な女性。。常に業務に忠実で、戦争という決定にも背くようなことは一切せず、テキパキと自分の役割をこなしていきます。俳優によっては嫌な役にもなってしまいそうなのに、原田知世が演じるとなぜか可愛げがあるんですよ。今年40歳になるというのがとても驚きです。
任命式の際、あごで北原を指図するシーンは音も付いていてなかなか面白かったです。


偵察員として報告を毎日続けるものの、戦争の実感が湧かない日々が続いていた。新聞に載る戦死者の数が、唯一この町のどこかで戦争が行われていると言う事を教えてくれていた。
ある晩遅く、香西が北原の家にやってきた。偵察の為、これから森見町に潜入するという。怪しまれないよう、北原と夫婦を装い用意されたアパートに移り住むのだ。偽装結婚していただきます!という言葉に驚きながら、北原は車に乗せられ連れて行かれる。

二人の偽装結婚生活がスタート。生活に関することは全て”業務”。食事を作るのも掃除をするのも何から何まで細かく分担表が香西によって作られた。部屋ももちろん別々。業務とはいえ、もう少し仲良くできるかと思っていた北原は拍子抜け。
唯一、業務を離れ外に散歩や買物に行く時だけ、香西は感情を表し、笑顔を見せる。そんな香西を次第に北原は意識し始める。


機械のように動く香西に、北原はもっと自由に自分の思うように行動したらどうか、という意味合いのことを度々言います。その度に困ったような表情をするものの、やはり香西は感情を出そうとはしません。
業務をこなすことが精一杯で自分の気持ちに正面から向き合えない。何も考えず戦争に加担していくのも恐ろしいですが、仕事をしていたつもりが戦争にどんどんのめりこんでいた、というのも恐ろしい事です。


ある朝、北原が出勤すると事務員の女性が泣いている。聞けば、隣の席の女性が戦闘に巻き込まれ亡くなったという。見えないけれど、確実に戦争が自分に近づいていることを感じる。
ショックを受け、アパートに戻ると香西から電話がかかってきた。危険が迫っているので今すぐそこを離れろと言う。証拠を隠滅する為、資料を持ち、急いでアパートを出る北原。舞坂町に戻る道路は既に森見町の兵士に封鎖されている。ここしかないと言われた抜け道は、水の流れる真っ暗な用水路だった。


戦争に至った理由が「色々」なんです。「色々」あって議会で戦争が決定したと。まあ確かに色々かもしれないけど、何かひとつ大きな理由があればすっきりしたのになぁ。
最後にきて、敵から追われいよいよ切羽詰る展開になるのですが、残念ながら観ているほうにはあまりその緊張感が伝わってきません。
戦闘シーンを表に出さない静かな展開ながら、いつの間にか戦争が始まり、知らないうちに自分が加担し、そして気付いた時には後戻りできなくなっている、という恐怖を感じさせたかったのでしょうが、そこまで強く迫ってくるものはありませんでした。
変にコメディタッチに走ってしまったからなのか、恋愛を盛り込んでしまったからなのか、その辺りは良くわかりませんが、中途半端な印象が後に残りました。どれかを突き詰めた方が良かった気がします。

ただ、ダーウィンの悪魔を観た時にも思いましたが、今も世界のどこかで戦争が起こっていて、その遠い現実と自分の生活のどこかに接点があり得るのだということについては改めて考えさせられました。

主演の二人はとても良かったし、出演者に不満はないのですが、1000円までというところです。


109シネマズ川崎にて鑑賞 上映時間:1時間54分

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『となり町戦争』 Scotch Park スコッチパーク/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる